2019年8月25日日曜日

道管理空港の空港別営業損益をグラフ化してみた

北海道庁の「空港運営戦略室」ページに、道管理空港(※)別の営業損益を試算したデータがありました。ちょっと面白かったので、備忘録代わりに軽くメモしてみました。

※文字通り、「北海道が管理する空港」であり、空港法上は、「地方管理空港」に分類されます。先日発表された「北海道空港株式会社」を中心としたコンソーシアムによる「道内7空港一括民営化(コンセッション)」の対象空港にも、今回の試算対象である「女満別空港」が含まれています。

道管理空港の空港別収支の試算結果(2019年3月05日(火))

当資料内にある「営業損益」の数値データをグラフ化してみたのですが、改めて見ると結構インパクトがありますね。特に、我が実家の北見市の最寄り空港:女満別空港の収支が厳しいのですね。


ちなみに、上下一体(上記グラフのC)の経年トレンドを見ると、年々厳しくなっているようです。


一般的に、コンセッションの一つの狙いは、「下部(空港インフラ:滑走路や航空管理塔など)の管理」と「上部(運行・運営:空港内レストランやテナントなど)」の上下一体運営を進めることで、上部の利益を下部に充てることと言われています。ただ、地方の乗降者数が少ない空港は、上記数値でわかるように単体で下部を押し上げるのは厳しいため、今回の道内空港コンセッションにおいても、他の主要空港との連携(マルチゲートウェイ戦略の推進など)が重要になるのでしょうね。

<北海道内7空港における進捗状況:国土交通省>
北海道内7空港の優先交渉権者による提案概要



これからもいろいろ勉強してみようかと思います。

ご参考:その他エアライン関連エントリー


値上げされる新千歳空港の「旅客取扱施設利用料(PSFC)」を比べてみると・・・
https://sapporomkt.blogspot.com/2019/08/psfc.html

2019年8月18日日曜日

RESASのローデータをJupyterNotebookで取り込む

Pythonは初学者なので生暖かくご覧くださいw。

RESAS(地域経済分析システム)は、GUIが洗練して使いやすいですが、実は、いくつかの画面では、ローデータを丸ごとダウンロード可能です。

今回は、「RESAS-観光マップ」の「客室稼働率の推移」ローデータをダウンロードし、ローカル端末にインストールしたJupyterNotebookに取り込んで見ます。
JupyterNotebookのインストール手順は、下記エントリーをご覧ください。

macOS MojaveへのAnacondaインストール
https://sapporomkt.blogspot.com/2019/06/macos-majaveanaconda.html

condaコマンドによるAnacondaの仮想環境作成
https://sapporomkt.blogspot.com/2019/06/condaanaconda.html

実施環境は、以下の通りです。
・MacBook Air:CPU:1.6GHz,Memory 8GB
・macOS Mojave ver10.14.5

※本エントリーは、私、小田一弥が一個人として勉強を兼ねて記載したものです。私の勤務先である日本アイ・ビー・エム株式会社の見解・見識ではない、個人としての記載内容としてご覧ください。


JupyterNotebookへのRESASローデータ取り込み手順


以降は、ローカル端末でのJupyterNotebook起動が可能な状態を前提に記載します。
もし、セッティングが難しい場合は、当ブログで何度かご紹介している「Watson Studio」などのクラウド環境でJupyterNotebookを使うアプローチもアリかと思います。

(ご参考)IBM Watson Studio
https://www.ibm.com/watson/jp-ja/developercloud/watson-studio.html


1.RESASページからローデータをダウンロードする。
[メインメニュー]→[観光マップ]→[国内]→[宿泊施設]→[グラフを表示]と進むと、集計画面が表示されます。「宿泊施設」でいくつの選択項目があるのでお好きな項目を選んでOKですが、どの集計画面でも右側に「データをダウンロード」が表示されるので、このボタンを押してローデータをダウンロードしてください。



2.JupyterNotebookにアップする。
ローデータはZip形式になっているので、JupyterNotebookで記述したipyndファイルを置く予定のフォルダと同じフォルダに解凍したローデータをアップ(※)してください。
※「アップ」とは書いていますが、今回のJupyterNotebookはローカル端末のlocalhostで動かしているので、「Cloud上にアップする」ようなイメージではありません。

右上部分にある「Upload」ボタンからファイル指定が可能です。




3.下記コードを実行する。

今回は、「北海道」の宿泊施設データだけを抽出します。
わずか数行のコードなので、特に解説は不要かと思いますが、「os.getcwd()」関数で、これから実行するipyndファイルを置いてある相対フォルダパスを取得し、「os.path.join()」関数でローデータファイル名と繋げています。

import pandas as pd
import os

# ローカルのJupyter Notebookで作業している相対パスの確認
base_url = os.getcwd()
print(base_url)
df_csv = os.path.join(base_url,'観光マップ_宿泊施設.csv')

# csvの読み込み
df = pd.read_csv(df_csv,encoding = "shift-jis")
df_hokkaido = df[df['都道府県名'] == '北海道']
df_hokkaido.head(10)

以下のように表示されれば成功です。
次回は、このデータを使って集計や可視化に取り組んでみます。

2019年8月14日水曜日

3分で完了!RESAS(地域経済分析システム)のAPI登録。

地方創生プランニングの中核システムでもある「地域経済分析システム(RESAS)」。
GUIが非常に充実しているので、このまま使っても十分便利なのですが、もう少しグリグリ分析がしたい場合は、「RESAS API」の登録がオススメです。

「API」と聞くと、「なんだか難しい世界だなぁ」とお感じになるかもしれませんが、登録自体は3分あれば簡単に終わります。

1.RESASのAPI申請ページにアクセスする
RESASトップページを下部にスクロールすると、API申請の入口が見えます。



2.必要情報を入力する。
「RESAS-API利用登録」画面に必要情報を入力してください。
必須項目が少なめなので、簡単に終わると思います。



3.仮登録URLをクリックすると、登録完了!
先ほど登録したメールアドレスにRESAS APIの仮登録URLが送信されるのでクリックしてください。


API管理用のマイページが表示され、API登録が完了します。
次回は、このAPIで色々試してみようかと思います。




2019年8月12日月曜日

値上げされる新千歳空港の「旅客取扱施設利用料(PSFC)」を比べてみると・・・

先日、北海道が誇る空の玄関口「新千歳空港」の「旅客取扱施設利用料(PSFC)」※が、大幅値上げされる発表がありました。
※PSFC(Passenger Service Facility Charge)または PFC(Passenger Facility Charge)。
 旅客サービス施設使用料とも呼ばれる。 共用スペースの諸施設や、空港情報表示システムなどの、
 旅客サービス設備の整備・運営費用に充当される。 

新千歳空港ターミナルビルディングは、国際線ターミナルで徴収している旅客取扱施設利用料(PSFC)を、冬ダイヤが始める10月27日から大人税込2610円に値上げする。現在の国際線ターミナルが2010年3月にオープンして以降、9年間で旅客数が4.5倍に増えるなど、拡張工事に必要な費用の一部負担を利用者に求める。(2019/8/9 Aviation Wire)


個人的には、今まで東京に住んでいたこともあり、
「新千歳空港で2600円オーバーって高くない?」と感じました。

とはいえ、他の空港がどの程度PSFCを徴収しているかよくわからなかったので、お勉強兼ねて調べてみました。

まずは、国内空港での国際線におけるPSFC一覧です。


※2019/8/12時点での国際線における各空港の大人一人あたりPSFC。
 同一空港で複数のPSFC価格設定がある場合は、最も高い金額を記載。
 福岡空港:2019年10月1日より980円に改定予定。
 中部国際空港:2019年10月1日より2,620円に改定予定。

関空に続いて2番目に高いPSFC設定になるのですね。
逆に今までが安過ぎたのかもしれませんが、それを考慮しても+1,600円は、結構な上がり幅です。

これだけあれば、札幌市内であれば結構おいしい海鮮丼が食べられるかも(笑)・・・っていうのは冗談ですが、実際、海外LCCなどを安いチケットを購入する際、「この差額で、海外でもっと美味しいものを食べられるかも」なんて感じてしまうかもしれません。

今後、国際線ターミナルの拡張や、「Fast Travel」推進などにも投資されるようですが、このような施策が、利用者側の満足度や再利用意向にどの程度寄与するか、継続的に把握することも、重要な取り組みになるのでしょうね。

ちなみに、ご参考までに国際線乗降数と合わせてプロットするとこんな感じです。
福岡空港における国際線乗降数の半数程度で、関空・羽田・中部クラスのPSFC価格になります。



























※国際線乗降客数は、下記資料から引用。
全国空港乗降客数一覧 (平成30年統計):東急エージェンシー

昨今、北海道の空港は、コンセッション(空港民営化)で話題になっています。今後、新千歳空港は、「北海道のゲートウェイ空港」として、他の道内空港との連携強化も重要になる点も踏まえると、妥当な価格設定のようにも思えますね。


ちなみに、今回のPSFC改定分に限らず、今後、新千歳空港がどのような絵姿になっていくのかは、下記資料を見るとわかりやすいかと思います。

<北海道内7空港における進捗状況:国土交通省>
北海道内7空港の優先交渉権者による提案概要



新千歳空港以外にも、私の実家の最寄り空港である女満別空港の30年後イメージ図などもあり、読んでいるだけでワクワクしてきます。

※本エントリーは、私、小田一弥が一個人として勉強を兼ねて記載したものです。私の勤務先である日本アイ・ビー・エム株式会社の見解・見識ではない、個人としての記載内容としてご覧ください。