そのわりに、地方の現場レベルでは十分な情報が行き渡っていないため、お役所の方でさえ「私達もよくわからないんですよねぇ」「・・・所管部署すら把握出来てませんで」といったお話も耳にするぐらいです。
正直言うと僕も勉強段階だったりするのですが、いくつか気になっている点があるので簡単に触れてみます。
※今回は、現状における「地方創生」の大まかな枠組みについてです。北海道に関する具体的な内容は次回以降で触れようかと思っています。
※当情報は2015年2月21日(土)時点で公開されている情報を元に記載しています。随時、変更点など発生すると思いますが、その点はご留意の上、ご覧ください。
1.結構ハードルが高そうな国の「中長期展望」
大きな柱としては「1.人口減少問題の克服」「2.成長力の確保」なのですが、どちらもかなりハードルが高いですよね。
「1.人口減少問題の克服」については、「2060年に1億人程度の人口を確保」とありますが、「国立社会保障・人口問題研究所」によると、同年における日本の総人口推計は「8,674万人」となる見込みの中で、プラス1,300万人の人口増を狙うかたちになります。
また、同年における65歳以上の人口割合は「39.9%」ですから高齢化もかなり深刻になるなかで、「2050年代に実質GDP成長率1.5~2%程度維持」とありますから、こちらもかなりストレッチした目標値であることがわかりますね。
こちらはあくまでも国の目標値ですが、地方における人口増も基本的には国の方針がベースになるので、こりゃ大変だなと・・・。
2.「アウトプットからアウトカム(成果ベース)へ」
お役人の方や現在意欲的に取り組んでいる方とお話すると、必ず議論のポイントになります。
いままで揶揄されることも多かった「バラマキ型補助金」事業では、「イベントを行った回数」「配布したチラシの枚数」など、「単純なアウトプット(「やったこと」の量)」さえ担保すれば良かったのですが、今回の「地方創生」は、「どれだけアウトカム(成果)出せるのか?」をかなり求められます。
上記スライドは、「まち・ひと・しごと創生本部」が15年2月9日に公開した動画から改めて打ちなおしたものですが、しっかり「目標数値」が設定されています。例えば「UIJターン」であれば、「採用イベントを行った回数(アウトプット)」ではなく、「採用イベントで採用出来た人数(アウトカム)」が成果指標になるということですね。
3.「自分で考えてね」。
もちろん、内閣はこんな書き方はしていません(笑)。ただ、各種資料を俯瞰すると、地方の各市町村に対し本気で「自立型のプランニング」を求めていることが見て取れます。上記は、国が策定した「中長期的展望」に則り、地方にプランニングを求める「地方人口ビジョン」ですが、「人口の現状分析」や「人口の将来展望」の内容がかなりコッテリしています。ちょっと読みにくいので、動画を直接ご覧になった方がいいかもしれませんが、「人口動向分析」や「人口の変化が地域の将来に与える影響の分析・考察」など、結構難しい作業に思えます。
とはいえ、「地方創生」に先進的に取り組んでいるとある企業の方曰く、「一般の企業で戦略策定する場合、当然行う仕事だよね」と。確かにそうかもしれませんが、今回は様々な政治状況や時流変化により、一気に地方の市区町村にこのような高いハードル設定がされたことが興味深い点かと思われます。
次回は、具体的に我らが愛する北海道でどのような流れになってきているか、わかる範囲で書いてみようかと考えています。
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