2019年8月12日月曜日

値上げされる新千歳空港の「旅客取扱施設利用料(PSFC)」を比べてみると・・・

先日、北海道が誇る空の玄関口「新千歳空港」の「旅客取扱施設利用料(PSFC)」※が、大幅値上げされる発表がありました。
※PSFC(Passenger Service Facility Charge)または PFC(Passenger Facility Charge)。
 旅客サービス施設使用料とも呼ばれる。 共用スペースの諸施設や、空港情報表示システムなどの、
 旅客サービス設備の整備・運営費用に充当される。 

新千歳空港ターミナルビルディングは、国際線ターミナルで徴収している旅客取扱施設利用料(PSFC)を、冬ダイヤが始める10月27日から大人税込2610円に値上げする。現在の国際線ターミナルが2010年3月にオープンして以降、9年間で旅客数が4.5倍に増えるなど、拡張工事に必要な費用の一部負担を利用者に求める。(2019/8/9 Aviation Wire)


個人的には、今まで東京に住んでいたこともあり、
「新千歳空港で2600円オーバーって高くない?」と感じました。

とはいえ、他の空港がどの程度PSFCを徴収しているかよくわからなかったので、お勉強兼ねて調べてみました。

まずは、国内空港での国際線におけるPSFC一覧です。


※2019/8/12時点での国際線における各空港の大人一人あたりPSFC。
 同一空港で複数のPSFC価格設定がある場合は、最も高い金額を記載。
 福岡空港:2019年10月1日より980円に改定予定。
 中部国際空港:2019年10月1日より2,620円に改定予定。

関空に続いて2番目に高いPSFC設定になるのですね。
逆に今までが安過ぎたのかもしれませんが、それを考慮しても+1,600円は、結構な上がり幅です。

これだけあれば、札幌市内であれば結構おいしい海鮮丼が食べられるかも(笑)・・・っていうのは冗談ですが、実際、海外LCCなどを安いチケットを購入する際、「この差額で、海外でもっと美味しいものを食べられるかも」なんて感じてしまうかもしれません。

今後、国際線ターミナルの拡張や、「Fast Travel」推進などにも投資されるようですが、このような施策が、利用者側の満足度や再利用意向にどの程度寄与するか、継続的に把握することも、重要な取り組みになるのでしょうね。

ちなみに、ご参考までに国際線乗降数と合わせてプロットするとこんな感じです。
福岡空港における国際線乗降数の半数程度で、関空・羽田・中部クラスのPSFC価格になります。



























※国際線乗降客数は、下記資料から引用。
全国空港乗降客数一覧 (平成30年統計):東急エージェンシー

昨今、北海道の空港は、コンセッション(空港民営化)で話題になっています。今後、新千歳空港は、「北海道のゲートウェイ空港」として、他の道内空港との連携強化も重要になる点も踏まえると、妥当な価格設定のようにも思えますね。


ちなみに、今回のPSFC改定分に限らず、今後、新千歳空港がどのような絵姿になっていくのかは、下記資料を見るとわかりやすいかと思います。

<北海道内7空港における進捗状況:国土交通省>
北海道内7空港の優先交渉権者による提案概要



新千歳空港以外にも、私の実家の最寄り空港である女満別空港の30年後イメージ図などもあり、読んでいるだけでワクワクしてきます。

※本エントリーは、私、小田一弥が一個人として勉強を兼ねて記載したものです。私の勤務先である日本アイ・ビー・エム株式会社の見解・見識ではない、個人としての記載内容としてご覧ください。

0 件のコメント:

コメントを投稿